芹奈side
不思議な男の子に出会った。
桐谷 蒼(きにたに あお)
違うクラスだけど、彼の容姿と性格は一部の女の子に人気だった。
そんな彼とあたしは毎日のようにすれ違う。
言葉なんて交わさない。
ごく普通の生活。
そんなある日、その生活が一瞬で変わる。
『…俺と付き合って下さい』
好まれることなんて何にもしていない。
ただ、廊下ですれ違うだけ。
それなのに彼はあたしに告白してきた。
あたしはいつもと同じように断る。
もう…関わることなんてなくなったと思ってた。
だけど−−−
『おはよう』
彼はいつもと変わらず…いつもよりも積極的にあたしに話し掛ける。
馬鹿みたい。
自分が傷つくだけなのに…
フッた相手に話し掛けるなんて…なんてお人好し。
彼は…まっすぐだった。
人嫌いで壁を造るあたしの心を溶かすほど。
『好きだからだよ』
まっすぐ過ぎて…あたしの調子を狂わされる。
彼だけは…本当のあたしを見てくれるような気がして…つい、心を許してしまう。
だけど−−−
人はいつか裏切る。
裏切られてもいいように…深くは感情移入したくない。
彼も…最後には、他の人と同じになるのだから。

