彼女に告白してから一週間が経った。
あの日から少しずつだけど、俺と彼女は言葉を交わすようになっていった。
少しずつ変わっていっている。
それが嬉しかった。
少しは…彼女に近付けているだろうか?
他の人と『一緒』じゃなくて、『特別』になれてきているだろうか。
毎日が…楽しいんだ。
彼女とすれ違うたび、胸が前よりも高なる。
もっと…話したい。
『好き』がどんどん大きくなっていくんだ。
まだ…彼女は気付いてないだろう。
俺が…本当に彼女のことが好きということ…。
彼女は俺を『友達』として見ている。
今は…それでもいい。
「…おはよう、芹奈」
俺は彼女の背中に声をかける。
彼女は振りかえり、ふんわりとほほ笑む。
「おはよ」
最近、彼女の笑顔を良く見る。
あの日から…俺に笑みを向けてくれる。
まるで、『特別』と言ってくれているみたいで嬉しかった。
「…朝練?」
「あぁ…試合近いからなぁ」
「…大変そうだね」
彼女の言葉、一言一言が嬉しい。
俺の言葉に返してくれる。
前だったら…こういうの、有り得なかった。
勇気を出さなかったら…彼女とこういう風に話すことなんてできなかった。
「…桐谷くん?」
「いや…ごめん」
顔がにやけてしまう。
「前だったら…こういうの有り得なかったから…嬉しくてさ」
「…変なの」
彼女はそう言ってクスッと笑った。
「じゃあね」
小さく手を振り、俺から離れる。
その小さな背中を見て、俺はこの幸せを噛みしめていた。

