蒼side


じりじりと暑い夏
半袖のシャツが汗で肌にくっつく。



もうすぐ夏休み
夏の日差しは夏休みに近づくにつれ、どんどん強くなる。



開いた窓から微かに風が通る。
髪が靡いた先に君がいた。



名もクラスも知らない。
春からずっと廊下ですれ違うだけ。



関わりといったらそれだけ。
他人といった方がしっくりくる。



そんな彼女に俺は恋をしていた。



優しくされたわけじゃない。
話したこともない。
なのに…俺は彼女に恋をしていた。



彼女の容姿は目をひきつける。



茶色に染まった長い髪
大きめのくりっとした瞳
日焼けしてない、真っ白な肌。
すらっとした手足。



すれ違うと鼻を擽る、花の柔らかい香り。



すれ違う度、ドキドキしていた。
胸の鼓動がバクバクと音を立てる。



俺は…どうかしているのかもしれない。
名前も知らないを好きになるなんて…