「さっき…告白されてたな」
「…見てたのか」
俺は肩を竦める。
誠はくすくすと笑っていた。
「あの子…気、強そうだったな。楠の事睨んでたわけの事はあるなぁ」
誠…気付いていたんだ。
あの子が彼女の事を睨んでた子達の一人って。
「なぁ…気をつけたほうがいいぞ」
誠は急に真面目な顔になる。
突然すぎて、リフティングしていたボールを落としそうになった。
「どうした、突然」
「なんか…ありそうな気がするんだよなぁ…」
そう言って誠は遠くを見る。
そんな誠を俺は笑い飛ばせなかった。
誠の言っていることが本当のような気がして…
「…まぁ、気をつけろよ。好きなんだろ?楠のこと」
「…あぁ」
好きだ。守りたいと思うほど。
彼女になんか遭ったら…そう考えると怖くなる。
まだ彼氏でもないのに…うぬぼれすぎだよな。
俺は頭を掻いた。
彼女のことを想うと…自分が自分でいられなくなる。
これが…恋なのだろうか。
俺には…まだこの気持ちがよく分からない。
彼女のことは好きだ。
だけど…それ以上は望まない。
彼女のこと…想うだけでいいんだ。
部活が終わって、誠と校門のところに行くと、見覚えのある姿があった。
「あっ…」
彼女は俺を見ると、アッと小さくつぶやく。
俺のことを覚えていてくれたみたいで少し、嬉しかった。
「…部活?」
「あ、あぁ…」
彼女が俺に話しかけてくれる。
それだけで笑みが零れそうになった。
「蒼、俺先に帰るわ」
「あ、あぁ」

