しばらくして、ふわりとした女の子っぽい感じの服を着た、杪ちゃんがやって来た。
「もう!夜中に呼び出して…親に説明するの、大変だったんだよ?」
ぷくっと頬を膨らませ、誠を睨む杪ちゃん。
俺は「悪い」と謝った。
「俺が頼んだんだ。誠は悪くねぇんだよ」
「だ、だけど…」
「いいだろ?どうせ明日は休日だし、暇だろ?」
そういって面倒臭そうに大きく欠伸をする誠を、杪ちゃんはキッと睨む。
「よくないっ!誠からの電話で喜んじゃったあたしが馬鹿みたいじゃない…」
と、唇を尖らせる杪ちゃん。
喧嘩していたなんて、嘘みたいに仲良い二人に、俺は肩を竦める。
「…俺の部屋でイチャイチャするなよ」
「「してない!」」
二人は気づいていないが、二人は似た者通しというくらい似ている。
しかも、息ピッタリで。
少しだけ、羨ましい気もする。
「もう…そんなことより、あたしに話があったんだよね?何?」
「あぁ…こいつの好きな奴がどんな奴か教えてほしいんだけど」
「前に言ってた子…だよね?」
杪ちゃんも俺の好きな子が誰なのか知っている。
勝手に誠が喋ったからな…

