「…さんきゅ」
一人じゃない。
ちゃんと俺を応援してくれる奴がいるってことを、改めて実感した。
「…で、なんて言われたんだ？」
落ち着いたところで、誠はいきなり告白の時のことを聞き出す。
こいつ…遠慮という言葉を知らないのか？とつい、呆れてしまった。
長い付き合いだったが、こういうところは昔と全く変わっていない。
「『あたしと関わっちゃダメだよ』だってさ」
「なんだよ、それ」
なんだよって言われても…俺も良く分からなかった。
ただ…そういった彼女の表情は悲しげで…何も聞けなかった。
そう伝えた俺を、誠はハハッと馬鹿にしたように笑う。
「…フッた奴がするのは同情しかない。悲しそうな顔なんてしねぇよ」
誠はそういって、信じてくれなかったが…確かに彼女は悲しそうな顔をしていたんだ。
『あたしと関わっちゃダメだよ』って言った。
悲しげな顔をして…。
彼女には、何かあるような気がするんだ。
「なぁ…誠。彼女のことで…知ってることがあれば教えてくんない？」
「って言われてもなぁ…俺、全然知らねぇし。杪なら知ってるかもしれねぇけど…呼ぼうか？」
「…悪いな」
少しでも知りたいんだ、彼女のこと。
関わっちゃダメだよって言われても…もう遅い。
俺の心は君色に染まってしまったから。
