蒼side
シロツメ草が風で舞う。
白い花が舞い、髪に当たる。
茜は愛おしそうにシロツメ草に触る。
その笑みは凄く優しげだった。
「懐かしいなぁ…あの頃のままだ」
誠はそう呟き、茜の隣にしゃがむ。
茜は「そうだね」とほほ笑んだ。
「此処だけ時が止まっているみたいだよね。…あの頃に帰れそう」
と、茜は空に手をかざす。
俺は先に広がるシロツメ草の草原を眺めていた。
「此処で約束したよな?俺たちはずっと一緒だって」
離れていても、大切な存在であるように。
いつか大人になっても…幼いころからの大事な人。
心で想っていようって…。
「あたしが引越ししなかったら…ずっと一緒だったよね」
と、茜は悲しそうに微笑む。
茜が引越ししなかったら…
俺たちは幼いころと変わらずにずっと一緒にいただろう。
だけど…茜が引越ししても…
ずっと茜に会いたいと思っていた。
きっとそれは、誠も一緒だ。
こうしていられるだけで…良かった。
幼いころ、会いに行きたくても会いに行けなかった。
後悔ばかり胸にたまっていって…。
苦しんでしまっていた。
大切な幼なじみの存在が、俺の苦しみになっていた。
でも…それも今日で終わりだ。
離れても…俺たちは昔と変わらない。

