ゴーン

ふとバスケットゴールからボールが跳ねる音が聞こえた。俺はその音に反応してすぐにその音の方を見た。

「ハァ…ハァ…」息を切らしている女の子がしゃがんでいた。俺はやばいんじゃないかと思い近寄ろうとしたけど彼女はすぐに立ち上がってボールをとった。

俺は安心してまた前に進んだ。その時はまだ何も思わなかったんだ。俺は次の日もいつものように公園を走った。もちろんあのバスケットゴールの前も。

昨日の彼女はまた負けじとゴールに向かって何度もボールを投げていたんだ。

「……っ」彼女は苦しそうでもあったが目がすごく輝いていたんだ。

そんな彼女に俺は胸がドキドキした。ひたすらボールを受け続ける彼女。