「へぇー知らなかった」俺は初めて光に出会った時の話をすると驚いていた。

「びっくりしたか?」俺は笑いながら光に問う。

「びっくりした。でも嬉しかった。そんなに前から想ってくれてたなんて。ありがとね」

「何か、照れんな」光が突然顔を歪ませた。

「どうした?」俺は手に持っていたコーヒーカップを机に置いて光の横でしゃがんで彼女の背中を撫でた。

「来たかも……」苦しそうに苦笑いする光。

「来たって……陣痛?」
「うん……」痛そうに頷く彼女にどうしよいどうしようとあわててしまう自分。

「聖矢!落ち着いて!パパになるんでしょ!」
「おぉ」こんなときでもしっかりしている光を尊敬する。

「とりあえず病院に電話して」
「分かった!」俺はとりあえず光の言われた通りに動いた。