「聖矢、今日部活2時からだって」俺と一緒に入学した千夏が俺の教室に入ってきた。

「あぁ、知ってる。ありがとな」そう返事をすると千夏はニコっと笑って教室を出ていった。

窓から入ってくる桜の花びら。俺は愛でたく二週間前、この咲良が丘高校に入学した。新しい生活が始まる。

「きれいだな」窓から入ってくる花びらを掴んで手のひらにのせた。

ふと、思い出す彼女の顔。彼女には会うことはなかった。

でも、なんとなくまた会える気がするんだ。君の声が、君の頑張る姿が、君に会える気がしたんだ。

俺は立ち上がって更衣室を向かおうとした。