「せーいや」スパイクを履いていると隣にしゃがみこむ一人の女の子。幼なじみの千夏だ。

千夏は最初は水泳部に入ると言っていたのに結局陸上部のマネージャーになった。

「千夏」千夏の顔を見てまたスパイクに目を戻した。

「今日、怒鳴ったらしいね」
「聞いたのか」
「うん、裕子から聞いた」俺は崎田の名前を聞いて千夏の顔を見る。

「崎田、まだ落ち込んでたか」
「ううん、聖矢がガツンと言ってくれて嬉しかったって」
「そっか……」