夫婦ごっこ

機嫌の悪い日が続いて それじゃなくても恒くんしか
いない私の生活なのに全く話せない日もあって

さすがに私も雇われの身でも頭にきていた。


「明日は休めそうなの?話したいことがあるんだけど。」


上の空で
私の言葉に返事も返さずまた部屋でパソコンと
にらめっこで……



次の日 恒くんが遅く起きてきて朝をゆっくり
過ごしてるのを見て
出かけることにした。


履歴書を持って……扉を開いたのは小さな喫茶店で
10時から3時までウェイトレス兼調理補助という
パートの仕事だった。

ライブハウスの中にある喫茶店で
そんなにたくさんの人が来るような
ところでもないし
土日は休みだったので 受けてみようか悩んでいた。


結局恒くんには何も言わなかったけど…。


いくら私でも…もっともっと誰かと話したい。
そう思っていた。


出て来たのは優しそうなおばあさん。

「あら…ずい分若いわね。」

そう言うと私の前に座った。