夫婦ごっこ

旅行の計画を立ててる私は上機嫌だった。
それを見てる恒くんも楽しそうで

私たちはもうすぐ別れるんだなんて嘘みたいに
今までの距離が縮まってきて
私はずるくなりそうだった。

「恒くん ホテルはここでいい?」

「紅波の好きなとこでいいよ。」

「ここのお店に行ってみたいな。」

「場所ちゃんと覚えておいてよ。
ホテルからの道程頭に入れないと……。」

「恒くんよろしく。」

「紅波の方が頭若いんだからさ。」

「ダメダメ うち方向音痴だからね。」


不思議だな。
もうすぐごっこが終わると決めた瞬間から
今まで気を使ってきた全てのことから 解放されて
私は 私 きっと本当の私に近づいてるような気がする。


「もう向こうは泳げるんだって。
もちろん泳ぐよね。
ダイビングする?」

恒くんの顔がこわばった。

「悪い……俺 もうやらない。 足つって溺れかけたんだ。
これから先 一生かなづちって決めてある。」

完璧っぽいのに…可愛いところあるんだ…。


恒くんもいつの間にか
気取らない…昔のちょっと天然なところも
見え隠れしている。


  すっごく…幸せだな……

恒くんと過ごす時間……。