先生も慌てて病室に飛び込んでいった。

それから看護師が顔を出して
「ご主人…目がさめましたから入ってください。」

そう言って病室に入っていった。

俺は今すぐにでも駆け寄りたかったけど
ビオンに

「君が行ってやって。」といった。

「は?」ビオンは首をかしげた。

「紅波はきっと君に一番に会いたいはずだよ。」

「何言ってんですか?」

「頼む……。一番に会ってやってくれ。」


俺は困惑してるビオンを病室に押しやった。


  よかったな紅波……。

  幸せになれよ………。


紅波の両親に声をかけた。

俺は最後でいい。


俺の今までの人生の中で最高の日になった。

紅波が戻ってきた。
たとえ俺の腕から旅立ったとしても………


それでもこの世に紅波が生きている奇跡を
俺には最高な瞬間だった。


  愛してるよ…紅波……。