それでいいの?
気持ち伝えないままで…別れていいの?


どうせ別れるなら…気持ち伝えるべきじゃない?


私は走り出していた。

恒くんはきっとDVDを返しに行ったはず。
車がなかった。


私は恒くんを追い掛けて雪が降る街を走っていた。

息が真っ白で
頬だけが火照る……。


恒くんに…最後になってもいいから
きちんと想いを伝えないと


絶対に私は後悔するんだ。


向こう側の駐車場に車を見つけた。
信号が赤になる。

恒くんが店から出てきて 車の前に歩いてきた。


「待って……待って……恒くん!!」

車が前を通って声をかき消した。

「早く…早く……。」

今 間に合わなかったらもう全て終わりのような
そんな恐怖感に襲われる。

青に変わった瞬間だった。
踏み出した私を・・・・・・・。

最後に見たのは
恒くんの車が動き出してしまう瞬間
それを見て絶望感に襲われた私は……
大きな衝撃とともに 何も見えなくなった。


  素直になるのと勇気を兼ね備えることが
  遅かったんだね……。