店を出て帰ろうとしたら ちょうどビオンも出てきた。

「おつかれ。」

「うん。応援してるから 頑張ってね。」

「おう!!」

二人の間には何もなかったように
お互い別れようとした時だった。



凍結した道を走ってきた自転車が乗っている人を
降りおとして 私めがけて滑ってきた。


「キャ~~!!」


そのとき ビオンが私の手を引いて
抱き寄せてくれた。


「大丈夫か?」

私は恐怖で涙が出てきた。


「ケガないか。」


「ありがとう……怖かった……。」

人だかりができて

自転車の人が何度も頭を下げていた。

「大丈夫ですから……。」私は泣きながら答えた。


腰がぬけて立てない私をビオンが抱きかかえて
店に戻ってくれた。


「あれあたってたら大けがしてたぞ。
簡単に許すなよ。お人よし。」

「もう死ぬと思ったもん。」

やり残してることたくさんあるのに……。