恒くんの後を歩いていた。

「私を…探してくれてたの?」

「シャワーから出たらベットにいないから 
きっと桃との話しを聞いたんだなって思った。」

「あの子…恒くんのこと……。」

「桃はませガキだったからな。よくアタックされたんだ。」

「だってあの子 小学生だったよ。」

「紅波が教科書とにらめっこしてる間にな。」

恒くんが笑った。

「ほんと 桃は自信たっぷりだからな。
あの頃からその辺のプライドは高かったよ。
大学生の俺が 小学生を相手にしたら…犯罪でしょ。
それでも桃はあきらめなかったな~~
ある意味大した奴だと思うよ。」

 
  あの子って…ほんと…

「私なんて受験のことしか考えてなかったのに?」

「そうだな~桃は最強だぞ。」

「私って何やってたんだろ。」

「紅波は 俺のことなんて眼中になかっただろ?」

「確かに…。チャラ男だと思ってたし
一番嫌いなタイプだったもん。勉強教えるのはうまいけど
絶対恋したいとは思わなかった。」

「だろ?千鶴もよく泣いてたらしい。
あの頃の俺は 手に入れたいものみんな手に入れていた。
それを仲間うちで自慢するのが楽しくて
千鶴は特別だったけど常に特別じゃない女がそばにいたからな。
ある意味…桃と俺はよく似てたな~~。」

「サイテー……。」

「ホントだよ。サイテーだろ?
俺もそう思うから。」

恒くんの悪戯っぽい笑顔を
一人占めしてる私……。