夫婦ごっこ

救急車に乗って 恒くんが行ってしまった。

「奥さん 前さんの部屋の鍵かけるよ。」

「あ すみません…。」

なんだかすごく悪いことをしたようで
頭がぼーっとしている。

「ショックだったんでしょう。
でもよかったよ。奥さんが気づかなかったら
前さんの奥さん死んでたよ。
大丈夫 助かるって。」

「はい。」

管理人さんは私が部屋に入るのを見届けて
戻って行った。


まだ足が震えてる。


罪悪感で押しつぶされそうだった。
千鶴さんが私にSOSを発信していたなんて……
どうしてもっとちゃんとケアしてあげなかったんだろ。


眠れない・……

あの手首から流れる出血と 千鶴さんを
必死に抱きしめてる恒くんが頭から離れない。


恒くんがどんなに深く愛してるのかを
この目で見てしまった。


ショックだった……。


恒くんが深く千鶴さんを想ってるのかを
目の当たりにして

私も壊れそうだ……。