「今 前と千鶴がうまくいってなくて…
いや前はきっとそう感じてはいないだろうな。
アイツは天然のバカだから…千鶴がこんなに思いつめてることさえ
きっと感じてない……。」

「それは夫婦の問題でしょ?
恒くんがそこに顔を出すのは…おかしいでしょ?」

「千鶴が悩む姿を見てると…俺が千鶴を悩ませていた時と
どうしてもだぶってしまうんだ。
俺が チャラチャラしてる時 仕事について急に仕事に熱中した時
千鶴はいつもああやって泣いてたんだって思うと
ほっとけないんだ。
俺らが一緒にいた五年間 千鶴は泣いてばっかりいたって
後で ダチから聞いて……
何にも考えてなかったよな俺は……。」

  そんなの私には関係ないもん

「前と結婚するって…知って
正直ホントに参った……。
あんなに夢中だった仕事だって…手つかずで
俺って千鶴に生かされてたって
初めて気がついたんだ。
いつもあいつが俺を待っててくれるって…それだけで
頑張れてたんだ。
それなのに俺は千鶴の存在の大切さに
気がつかなくて…バカだった…。」


その真実は私を地獄におとす。

「まだ…好きなんだ……。」


「うん…。」


素直に返事すんなよ バーカ……。