夫婦ごっこ

「俺が悲しい時 話聞いてやるから。
誰かに話せば楽になるだろう。だけどアドバイスは
期待すんなよ。俺 経験浅いから。」

「ほんと?私 友達もいないし…
誰も聞いてもらえる人がいないの。
だから…嬉しい…。」

また涙が溢れる。

「なんだよ。おまえ泣き過ぎて目おぼれるぞ。」

「だって…だって…嬉しくて…。」

ビオンが私の顔にティッシュをくっつけて

「おまえは悲しくて泣くのか嬉しくて泣くのか
まずそこから教えてくれないとわかんないぞ。」

「ビオン……あんがと~~。」

ビオンは私の頭を持って自分の方に抱き寄せた。


「不倫じゃないぞ。」

「ビオン……ふえ~~~っ…。」

初めてだった人の心が温かいって思ったの。

「おまえはな…。」

私より華奢なビオンが

とても逞しく思えた。

「その代わりと言ったらなんだけど
おまえでしることは 歌にするかもしれない。
いい題材になりそ。」


「ウフフ…経験不足だからね…。」

「泣いてんのか?喧嘩売ってんのか?」


不思議にビオンに男を感じない。
仲良しの女友達…それは

ビオンのまつ毛が長くてカールされてるから…。