「じゃあ 今度会った時 ジュースおごれよ。」

そう言うとビオンはあの曲を歌ってくれた。

ずっと好きな人に想いを伝えられない
もし伝えてしまえば 友達でさえいられなくなって
その人を失なってしまう。
他の人を愛してるって笑う彼女を
いつまで自分を偽って 辛い演技していくんだろう

そんな歌詞と悲しい曲を
ビオンの優しい声が歌いあげて行く。


「ビオン…。」

「ん?」歌い終わったビオンはまた 何かを頬張った。

「いい歌だね。
私 ビオンのファンだよ。
その曲絶対……次は彼女と結ばれるように
作ってあげてね。」

ビオンはモゴモゴしながら

「あんがと。」って笑った。

「でもさ 恋してないからな~俺~~。
幸せとかそう言う話し 今度参考までに聞かせてよ。」


  幸せじゃないよ


「まかせておいて~~
とってもいい参考になると思うわ。」


私は明るくそう言った。

「土日 どっか時間つくれたら顔出せよ。
ジュースな。忘れんなよ。」


そう言ってビオンは電話を切った。


  お風呂…入ってこよう……。