一緒に大浴場に向かって 男湯の前で恒くんが
「俺の方がきっと早いから 先に部屋に戻ってるからな。」
といってのれんをくぐった。
私も隣の女湯に入ってスリッパを脱いだ。
浴衣を脱ごうと思ったけど トイレに行きたくなった。
脱衣所のトイレは濡れていて気持ち悪いから
一度外に出てトイレをしようとスリッパをはいて
今来た道を引き返した時だった。
ソファーに座っている人が電話をしていた。
後を通り過ぎようとした時 その声に聞き覚えがあって
足を止めた。
「無理だって……昨日だって俺は家に帰らなかったし
今日は紅波とずっと約束してたんだ。
楽しみにしてたんだあいつ……。
話し合えよ。どうしたいのか。」
恒くん………。
「そんなこと言うなって。こうなったのもおまえが
あいつを選んだからだろ?
それにここ登別だし……いつもみたいに
飛んでは行けない……子どもじゃないんだろ?
俺にも俺の生活があるんだ……。
………もう切るぞ。今日はとにかくそっちに行くのは無理だから。
もう電話してくるな。とにかくアイツと話し合え。」
相手は引き下がらないみたいで 恒くんは
電話を切るタイミングを何度も逃していた。
「おまえは俺とアイツ
どっちを愛してんだよ……。」
うそつき……
仕事だって…上司に頼まれたって…
愕然とした。
恒くんの嘘が……私の心を簡単に傷つけるんだ。
「俺の方がきっと早いから 先に部屋に戻ってるからな。」
といってのれんをくぐった。
私も隣の女湯に入ってスリッパを脱いだ。
浴衣を脱ごうと思ったけど トイレに行きたくなった。
脱衣所のトイレは濡れていて気持ち悪いから
一度外に出てトイレをしようとスリッパをはいて
今来た道を引き返した時だった。
ソファーに座っている人が電話をしていた。
後を通り過ぎようとした時 その声に聞き覚えがあって
足を止めた。
「無理だって……昨日だって俺は家に帰らなかったし
今日は紅波とずっと約束してたんだ。
楽しみにしてたんだあいつ……。
話し合えよ。どうしたいのか。」
恒くん………。
「そんなこと言うなって。こうなったのもおまえが
あいつを選んだからだろ?
それにここ登別だし……いつもみたいに
飛んでは行けない……子どもじゃないんだろ?
俺にも俺の生活があるんだ……。
………もう切るぞ。今日はとにかくそっちに行くのは無理だから。
もう電話してくるな。とにかくアイツと話し合え。」
相手は引き下がらないみたいで 恒くんは
電話を切るタイミングを何度も逃していた。
「おまえは俺とアイツ
どっちを愛してんだよ……。」
うそつき……
仕事だって…上司に頼まれたって…
愕然とした。
恒くんの嘘が……私の心を簡単に傷つけるんだ。


