夫婦ごっこ

私はどういうわけか ビオンと一緒に
スタジオの中にいた。


スタジオって…こんな感じなんだ。

さっきの自販機で私の分のジュースも買ってくれた。

「暇なら俺の歌でも聞いてかない?」

っていうお誘いで ビオンの弾くギターの弦の音



悪い仲間とカラオケボックスには行ったけど
私は絶対に歌わなかった。

「下手くそだから…」
私が謙遜してんのに 他の奴の

聞きたくない下手くそな歌を聞きながら

  早く帰りたい

って思ったものだった。
自分一人ならよく歌うけど 人に聞かせるのは…


その時ビオンの声が優しく響く。
私は目をとじた。


優しくて甘い声……。
ギターの音まで優しかった。


静かなバラードだった。
切なくてそして優しくて……
心に沁み入って行く……。


「片想いの歌なんだね。ビオンが作ったの?
こんな曲作れるなんてかなり恋してるんだ。」

曲が終わって拍手しながら私はそう言った。