「どこに行ってた?」

相変わらず飽きずにパソコンの前にいる。

「いいじゃん…。」
何にもしてくれてなくて頭にきた。
前さんに会わなかったらあきらめてたけど……
隣の旦那さんはうらやましすぎ…。

「連絡よこせよ。一応心配するだろ?
何も言わないし…。友達だっていないし……。」

  いるもん……

私は無言で冷蔵庫の中を開けて乱暴にハムを
キッチンに投げつけた。

「怒るのは俺でしょうが?なんで紅波が怒ってんだよ。」

「も~~~!!いっつもいっつも
バカみたいにパソコンばっかやって~~
ここに人間がいるのに 恒くんはパソコンの方が
大事なんでしょ?」

「バカみたいにって俺は仕事だし。」

「土日も仕事するなんて よっぽど仕事できないんだ。」

私は怒りでどんどん口から言葉が
飛び出していく……。

「あのな俺の場合は 前も言ったけど
予習なんだけど?準備しないと。」

「あ そ。」

「ムカつくなその言い方。」


「雇われ妻だってね 人間なの!!
どんだけがまんしてると思ってんの!?」

バルコニーにはまだ洗濯物がほささっている。