「オーナー……。頑張りますのでよろしくお願いします。」


「シゲちゃんでいいよ。それから愛する妻は
みんなからミミちゃんって呼ばれてるからそう呼んで。
君のことは…ベニーでいいかな?」


私はキョトンとして

「ベニーですか?」ちょっと恥ずかしい。


「ここライブハウスだからね。」

シゲちゃんはカウンターに入ってコーヒーを
おとしはじめた。


「いい香り……。」


鼻の穴が広がる。


「シゲちゃんのコーヒーは美味しいのよ。
飲んでから帰りなさい。」

おばあさん…いやミミちゃんはそう言うと
ケースの中から

「今日のランチのデザート味見してみて。」

そう言ってコーヒーと白玉ぜんざいを持ってきてくれた。


「うわ~~嬉しい~~白玉大好き~~!!」

思わず子どもに戻って
足をバタつかせた。


「あはは…ベニーは素直でいいね~~。」


なんだか楽しい毎日になりそうで
ウキウキしてきた。