「雨宮ー。」

この声は俺の親友、夏目和也(なつめ かずや)だ。


「なんか用か?」


「おいおい、そんな冷たくなんなよー。」


まぁ、ウザい所もあるが信頼できる奴だ。


「帰ろうぜ。」


「ああ」


俺たちは教室を出た。


歩いてる間もこいつはよく喋る。

いつもほとんど聞き流してるんだけど。


「そーいえばさ、今日すっげー可哀想な子見たんだよな。水かけられて制服びしょ濡れだった。」

なんだよ、それ。うちの学校にいじめなんてあったんだな。


「へぇ、」


俺はそう相槌をうった。