もう一度　ドアを見る　天国か地獄か　逃げ出しそうになる
「受付をしますので　」じじいが事務的につぶやく　縁起をかついで二番にする　　　　意味はない　なんとなくだ　　髪をショートにしたたぶん女の鬼がめんどくさそうにパソコンを見つめてる　「受付をしますので名前と年齢は？」　「藤間　勇　２８です」
じじいが死亡許可証なるものを渡した　「はい　大橋　勇　８２歳ね・・・」
一瞬時間が止まる　女鬼に緊張が走る　まるいメガネが少し大きくなる　
なにやらパソコンをガチャガチャし始める　揺らす叩く　そして　泣いた
じじいは黙って突っ立ている　　なにがおきたのか・・
「どうしたんだい」　ひとまわり大きな着物を着た女鬼が近寄ってきた。　頭にかんざしをさしたおかみさんタイプだ
タバコをスパスパ吸いながら「ゲンさんをよびな」　と一言
しばらくして黒電話がひっきりなしに鳴り始める
やがて金髪の男が書類　書類の束を抱えて現れた　じじいとなにやら話こんでいる
「しばらく時間がかかりますのでこちらでお待ちください」　若い女鬼が案内に現れた