傘が並んで色とりどりに咲いていた　冷たい雨が体を突き抜ける　「さようなら俺の体」そう呟きながら黒い霊柩車を見送った。車のホーンが天に昇ってゆく
振り返るとそこに恋人の玲美がいた。目を閉じて両手をあわせじっと下をむいている。涙が頬からポタポタ地面を濡らす


「玲美」右手で涙を拭こうとするがむなしく空をきる


そろそろよろしいでしょうか？
白髪のタキシードを着た細長い老人が背後から声をかけてきた。
どうやら案内人らしい 名前を尋ねたが
「じじいとお呼び下さい」　　としか答えない
名刺をもらったが　天国局案内人　じじい　としか書いてない
ふざけてるのかとも思ったが　頭が混乱するのでじじいと呼ぶことにした
　

じじいが杖を振り回すとそこにエレベーターのドアが現れた。