まぁ、こういう高校だから生徒が野放しにされているのは当たり前ね。
都合がいいといえばいいんだけど…。
「希優ッ、希優ッ!」
「なに、沙月?」
「私、藤堂組の跡取りっぽかった!?」
「……沙月らしかったわ…。」
「やたー!褒められた~!」
私、今褒めたのか…?
コンコンッ。
「失礼します。野中です。」
「ああ、入ってくれ。」
入ってきたのは黒髪でメガネをかけた優しそうな顔立ちの人だった。
「君達のクラスである2-Aの担任の野中昴先生だ。これから教室に行ってもらうから彼に付いていってください。野中先生、お願いしますね。」
「はい、では行きましょうか。」
「お願いします。」

