コンコン。





「失礼します。」


「はい、どうぞ～」









一際大きな扉を開ければ、中にいたのは割と若い男性。



世にいう"美青年"って、こんな感じなのかしら…？










「今日から通う転校生だね。初めまして、名前は、えっと…」





「こちらの背の高い方が、藤堂沙月で、私が四ノ宮希優です。これからよろしくお願い致します、理事長。」




「ああ、そうだったね。たしか沙月さんの方は、藤堂組の…。」



「そうでーすッ。これからよろしくお願いしまーすっ。」






なんて軽い挨拶…。



仮にも一応"藤堂組の娘"ってことなんだから、ちゃんとしてほしいのに。





「で、希優さんは…？沙月さんのお友達？」


「いえ、一応"世話係"として、一緒に通わせていただきます。」


「そう…。僕の名前は"草刈　潤"だ。何かあったら気軽に来てもらって構わない。ただし、この学校はこんな感じだから…。生徒間でのことには生徒で対応してもらう。設備等の不備とか施設に関することのみこの学校の教師は動く。それだけは覚えておいてくれればいいよ。」



『はい。』


「では、今担任を呼ぶから待ってくれ。」