校舎内を歩いていると、

四方八方からの視線を感じる。





それらは、この学校では珍しすぎる2人に向けられたもの。





「いやぁ~、やっぱり希優は目立つなあ…。なんてったって"和風美人"だからな~!そりゃあ、こんな不良学校だと嫌でも目立つよなあ…」



「…私はあなたも目立っていると思うけれど。たぶん、私とは別の意味で…。」



「…へ?うち?いやいやぁ~恥ずかしいなぁ。」


「…。」












沙月には申し訳ないけれども、たぶん沙月は不良たちの喧嘩相手として目立っているはず。






(まぁ、沙月は普段から殺気立っているから…。)




その点私は、不良校には全然似合っていない。




沙月を相手にするなら、私は恰好のエサ…。





















まぁ、沙月相手に勝てる人なんて、いないからいいけれども…。












「…沙月、私から離れないでね、面倒くさいことで私を巻き込まないこと。」


「はいはい、りょーかいー。」





しばらく歩けば、着いたのは理事長室。






一応、挨拶はしとくべきだと思う。


今後のためにも。