眼力を持つ少女~強く、儚き命~



「希優は嫌じゃないのかよ!私は嫌だ!!あんな、あんな風に希優が差別されて…希優だって普通の女の子じゃないか!!なのになんであんな風に言われなきゃいけないんだよ!!」




沙月から出た言葉は、希優が予想していなかったわけではなかった。

(やっぱりそれにイラついていたのね…。)






「沙月。違うのよ、私は普通の女の子じゃないの。」

「どうみたって普通の女の子じゃんか!」

「私が極道の頂上に立つ者の娘でも?」

「それでも!見た目だって、性格だって…普通じゃないか!」





「私が、眼力を使えるような子でも、普通なの?」

「…っ!」









そう、私は普通じゃないの。








「普通の女の子は、眼力なんて使えないのよ…?だから私は普通じゃないの。」





そんなことは、
とうの昔から分かっていることよ。





だから別に今さらそんなことで、悲しくなんかならない。