眼力を持つ少女~強く、儚き命~





野中先生と理事長室を出ようとした時…

「藤堂さん。」

「は「はいっ、何でしょう!」…」



危ない、つい返事をしてしまうところだったわ。

沙月に感謝しなきゃ。



「藤堂さん。君は周りに居る生徒たちと同じ位置に居る存在ではない。生活する上で、それだけは頭に入れておいてくださいね。」


「はい、分かっています。」







結局はどこに行ってもこの言葉を希優は言われるのか…。


同じ生徒なのに…

"他とは違う"

その言葉がどれだけ希優にとって
嫌う言葉なのか。


いつも何も知らずに注意する。








私は、それを許せない。








沙月が強く拳を握り締めたのを見た希優は、そっと沙月の手を握り理事長室から出て行った。