恥ずかしさを紛らわせる為に花火に集中しようと思ったのに、さっきまで連続して上がっていた花火が急に途切れてしまった。


「……あれ、花火鳴らなくなっちゃったねー…」


「んー、準備中じゃね? 多分、もう少ししたらまた鳴り始めるよ」


「そっかぁーじゃあちょっと待とう」


かといって微妙に移動してしまったし、今更勉強する気にもなれずに、ぼんやりと外を眺める。



会話は特にない。

彼とは会話がなくても平気。

肩と肩が、触れている。

それだけでもう、満たされる。



そんなことを考えていると、

こてん、と肩に軽い重み。


え……?


頬にちくちくとした感触。


どうやら、彼の頭らしい。


……え?


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