「お姉ちゃんとおなじこと言ってるから、多分だいたい合ってます」
「答えふわふわし過ぎだろ。まあ俺の中で解決したからもういーや。」
彼はそういって、何気なく私の携帯のクリアボタンを押した。
問題文が書かれた未送信メールは閉じられて、未送信ボックスに保存されている私の未送信メールが表示される。
「あっ! だ、だめ!」
「え、なに『わたしのほしいもの』って」
なんとか携帯を取りかえしたものの、保存されていた私が趣味で書いた文章のタイトルが彼に露呈してしまった。
……ちょっと消えたい…。
「い、いや、その、誕生日に何がほしいなーって書いたやつだよ、うん!」
「ほぉ? じゃあちょっとお兄さんに見せてみなさい」
「ぜっっったい嫌!」
新しく面白いおもちゃを見つけたと言わんばかりに私の携帯を奪おうとする彼を、全力で拒否する。
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