「明日も9時半?」
私の家につくと、彼がそう聞いた。
「え、あ、うん!」
「とかいいつつまた10時に来るよね」
にやりと笑って彼が言う。
「うう……否定出来ない」
私の行動パターンは、とっくに彼に把握されている。
ていうか、明日も逢えるんですか、神様。
「それじゃあ、また明日」
「……! うん、また明日!」
彼に手を振り叫ぶ。
同級生だったら毎日言えるであろうこの言葉も、私たちにとっては初めてだった。
彼が帰ったあと、庭で一人で夜空を見上げて、そういえば今年はお祭りも行ってないし、花火も殆ど見ていないことに気付いた。
今年は確かにしょうがないけど、彼と私は、『来年があるから大丈夫』とは言い切れないのだ。
来年の今頃、彼はどこにいるんだろう。
変わらずに、私と曖昧な関係のままなのだろうか。
それとも、
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