「てか、なんか机狭いよね? 勉強できなくない?」


席に座り、さっきから思っていたことをつっこむ。
彼が選んだ席は、きっちり二人分のイスと、小さな丸テーブルの席で、二人勉強するには狭すぎるように見えた。


「そもそも一緒にいても、まともに勉強出来きたことないじゃん」


「う、まぁそうだけど…」

図書館ならまだしも、こうして普通に話せる空間で、私たちが無言で勉強出来たことはない。
今まで何度か『勉強会』と称して二人で逢ったときも、結局おしゃべりをして終了していた。

私としてはそっちのほうが嬉しいのだけれど。

あれ、じゃあなんで、誘ってくれたんだろう。


「あ、そういえばさっき数学やってたよな?」


「え、あ、うん、1問目で躓いてたけど」


「ちょっとそれ見せて」


「え、いいけど……」


彼にそう言われて、鞄の中から数学の問題集を取り出す。



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