二人で向かったのは、いつものショッピングモールのフードコート、じゃなくて、そのショッピングモールの中にある喫茶店。
彼に先に注文をしてもらい、私はメニューを見上げながら何にしようかと考える。
なんとなく、お店で何かを注文しているところを、彼に見られたくない。
あと、ご飯とかも苦手。
友達にそれを言ったら、『意味がわからない』と一蹴されてしまったけれど、苦手なもんは苦手なのだ。
苦手、というか、なんか恥ずかしいのだ。
キャラメルフラペチーノを頼み、出来上がるのを待つ間、先に席を取っておいてくれていた彼の所へ行く。
「何頼んだの?」
「キャラメルフラペチーノ!」
「よくそんなくそ甘いもの飲めるね」
苦笑いする彼の手には、スタンダードなドリップコーヒー。
きっと、砂糖もミルクも入れていない。
「キャラメルフラペチーノお待ちのお客様ー」
後ろで店員さんの呼ぶ声がして、慌ててカウンターに向かう。
商品を受け取って席に戻る途中、私を待つ彼を見て、これ、端からみたらカップルみたいかもなぁ、なんてふと思ってしまった。
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