「…おはよーございまーす」


生物の教科書を読んでいる彼に小声で声を掛ける。


「おっせーよ。誰だよ9時半って言った奴ー」


呆れたように彼が言う。
なんだか私は彼に呆れられてばかりいるような気がする。


「お…女の子は支度に時間がかかるんだよっ…!」

「はいはい」


必死に言い訳する私の言葉に適当に返しながら、彼が座っている隣の椅子に置いてあった彼の荷物を降ろした。



……席、とっておいてくれたのかな。


そうだったらいいのに、とぼんやり思って、彼の隣に座る。






2日目ともなると、ドキドキよりも安心感の方が勝って、ペンの進みも早い。

ドキドキが落ち着いて気付いたが、一緒にいて、ここまで落ち着くというか、癒される人は初めてだった。


ずっとこうできていたら、どれだけ幸せか。

君が私の隣で頑張ってくれていたら、私も一緒に頑張れる気がする。



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