「とまぁ…こんな感じ。」


私が蘭とのことを話し終わったときには桜野先輩も悟先輩も俊太先輩も怜太先輩も難しい顔をしていた。



「信じらんねぇ…。蘭がそんな奴なわけがねぇ…。」

「暁…。」



桜野先輩が信じられないのも仕方がない。
好きなら信じられないもの。
桜野先輩は唯一好きになった人なんだから仕方ない。



「けど、これは真実だから…。」


「…。」



みんなが黙って私を見る。
考えてるんだと思ったから私は視線を桜野先輩から逸らさずにずっと見ていた。

桜野先輩は静かに



「出ていけ。」



ただ一言だけそう強く囁いた。