もみじ祭りの次の週の月曜日だった。
“遥香、会長と付き合ってるの?”
この台詞を1日のうちに6回言われた。
「なんか、近くでお祭りあったじゃん。あれに、2人で来てたの見たって人が何人かいて、噂になってるよ、特にうちのクラスでは。前から仲良かったし、へえとうとうっていう感じで」
クラスの友達にそう言われた。別に二人でお祭りに行くのは普通のことだと思っていたけど、やっぱり噂が立ってしまうくらいには注目を浴びることだったみたいだ。特に会長はクラスの中でも愛されキャラというか、割と中心的な立ち位置にいる人だから噂も広まるんだろう。私はその噂を聞いて、焦るでも照れるでもなく、「うわあそうなんだ」と他人事のような感想を口にした。
「それで?」
「え?」
「付き合ってるの?お祭り行ったの?」
友達が好奇心を体中から出して楽しそうに聞いてくる。彼女はこういった色恋沙汰が大好きで、私にも毎日浮いた話はないかと聞いてくるような人だから、さぞ嬉しいんだろうと思った。
「お祭りは行ったけど付き合ってないよ」
「じゃあこれから付き合うのね」
「え、いや・・・そういうわけじゃ・・・」
「じゃあなんで二人でお祭り行ったの?」
「え?なんでって言われても・・・」
お祭りに行ったら付き合うものなのか。そう思ったところで、会長が教室に入って来た。朝登校して来たときもそうだったけど、教室のどこかからひゅうひゅうというひやかしの声がした。会長は私と同じように、焦るでも照れるでもなくただ噂について否定していた。今日は会長とまともに話せていないし、近付こうものならクラスの視線を浴びるから正直嫌だ。
