部活のない日が同じなのは丁度いいのかもしれないけど、私達はクラスの中でも仲がいいけど、別にいつも一緒に帰る約束をする必要はなかった。私は会長の言葉の意図について、もしかしてと考えをめぐらせたりしたけれど、その申し出を断る台詞を考える方が難しかった。
「私、電車じゃないから帰り道って言っても一瞬だけど」
「それでもいいよ」
「なら、いいけど・・・あの、私、学校に残ってく日もあるから」
「わかった、帰れる日だけでいいよ」
嬉しそうな会長の顔を見て、私は焦った。まずい。なんだこの感じ。会長はやっぱり気の迷いを起こしているのかもしれない。私とどうにかなりたいとか、そういった類のことを考えている可能性が急激に上がってきた。会長のことは好きだけどそれはもちろんクラスメイトとしてだし、何より私には会長のことを頭からすっぽり消させるくらい好きな人がいる。どうしたもんかと考えていたけど、とりあえずはっきりとそう打ち明けられるまではどうしようもないだろうと自分に言い聞かせた。
もしかしたら誰かを傷付けることになるかもしれないその予感は、あまり心地いいものではなかった。
「ねえ、私、やさぐれてるかな?」
「はあ?」
その翌週、朝家を出たらばったりと雄也に会った。よくあることだ。特に雨の日は、普段自転車の雄也も歩いて行くから家を出る時間が同じになることが多い。
「なんか、クラスの子に言われちゃった。最近なんとなくやさぐれてるって」
「ああ、そう・・・どうだかな」
「よくないよね。うん、きっとよくないよ。プラス思考が私の取り柄だもんね」
「はあ」
「ああ、パワーが欲しいなあ・・・」
雨の日は気分が落ち込む。せっかく気持ちを奮い立たせようとしても、ぽっと灯った火は雨で一瞬にして消える。
