触れるか触れないか。

彼は意識しているのだろうか。

小銭もきっちりあるのに、わざとお釣りをもらう手にも期待してしまう。


「アリガトウゴザイマシタ」


絶対感謝なんてしてないくせに。


次のお客が割り込むように、弁当を置いた。


もう二人だけの空間は終わり。


私は追い出されるようにコンビニの外へ出た。