「せーちゃん…大丈夫?」


ママがドアの前で声をかけてきて、やっと私は我に返った。


「ママ…ごほっ、ごほん。だ、大丈夫」


あんな男のために、私が取り乱す必要なんてないんだわ。


そうよ。あれは夢だったの。


あんな悪夢、

忘れましょ。