好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

「ちょ、うるせーよ!」

「……ひくっ…うっ、うるさい、って、な、なによぉ」


夢の中で100000回以上は聞いた声。

和希の声――


「あーごめんごめん。まだ学校の時間じゃねーよな?」

「ばか。今日はセンター試験だよ! 大学受験!」

「げっ! マジ! もうテスト始まってんの!?」

「ぷっ、あははっ、始まってたら電話に出れないよ!」

怒りたいのに

泣きたいのに


駄目だ


もう、ホントに愛しいくらい馬鹿で、笑ってしまった。