好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

目線がちらちら私に行くのが気になって

私は柱の影のベンチにちょこんと座って待つことにした。


「聖里奈さん!」

私を呼ぶ声がして、顔を上げたが

相手を確認してから、聞こえないフリをして視線を逸らした。


「久しぶり! やっぱりセンター受けるんだね!」


そんな下手な芝居なんて気にせずに

淳は陽気に声をかけてきた。


「………」

私はそれでもシラを切り通して黙り込んだ。