好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

二人が一つの大きな塊になった。


しばらく、抱き合ったまま時間が過ぎた。



「…あったかい」

「………なあ」

「…なあに?」

「ゆきは…幸せだったのかな」

「どうして私に聞くの」

「お前は……何となくゆきに似ているんだ…初めて会ったときからずっと思ってた」



光が「こうなる予感がした」と言っていた。

私が、ゆきさんに雰囲気が似ていたからだったんだ。


「好きな人に愛されていたなら、幸せだったと思う」