好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

私の肩を掴んだ手は段々強くなってきた。


「どこ、まで、聞いた?」


痛いほど。


「多分、全部」


和希は大きく目を見開いてから、ぎゅっと閉じた。


「……最低だと思ったろ?」


「……」


「俺は一番近い家族を…愛した……そして、それを知った男を失明させた…」


「………」


「俺だけ…こんな俺だけが…どうして生きているんだ…」