好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

一緒にいたいって

言えばそれで良かったことだったのに――


私が後悔しながら、何気に襖の隙間から隣の部屋を覗くと

すっきりと片付いて殺風景な部屋の片隅に不似合いな黒い影を見つけた。




それを見た瞬間

私は息を飲んだ。




「ピ、アノ…?」