好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

だぶだぶのトレーナーを腕まくりして

パンツのウエスト部分を2、3回折る。



「…もういいよ」


ガラっと入ってきた和希に、照れ笑いを浮かべて私が応えていると


「まるで着ぐるみだな」


意地悪く言い放って、手に持ったタオルを私に投げつけた。


「……」


私はふくれっつらのまま渡されたタオルで髪を拭いた。